高槻かなこ
キャッチコピーは「奇跡の昭和アイドル声を持つ、ちょっとだけピュアーなミルキィっ子」。ちなみに30年前に中森明菜がデビューしたときのキャッチコピーは「ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)」。そして、デビュー曲のカップリングでは桜田淳子「ひとり歩き」と榊原郁恵「あなたと夢とポップロック」のカバーを収録という、なんとも昭和を感じさせるアイドルの登場だ。しかし彼女は、現在19歳。子どものころにモーニング娘。に憧れ、AKB48のファン歴もあり、マンガやアニメやゲーム大好きという今どきの10代、いわゆるゆとり世代である。記念すべきデビュー曲「凡常シンデレラの汁気のあるお願い」は現在ニコニコ動画で人気を集める家の裏でマンボウが死んでるPによる楽曲。まさに2010年代を象徴するような高速展開ポップスだ。転調に次ぐ転調の難易度の高い曲を悠々と歌いこなしつつ、昭和歌謡のわびさびもきちんと理解した、恐るべき才能。過去と今という時代を自由に行き来して結び付けてしまう高槻かなこに注目したい。